「建設業界で何が起きているか。」「何が問題となっているか。」「国や建設業界がどのような対策を講じているか。」
大きな視点から業界を捉え、シェルフィー株式会社の解決すべき課題にも繋がる、建設業界の今を記載しています。
建設業界は年間約63兆円が動き、約500万人が働く巨大市場。
日本のGDPが約550兆円・就労人口が約5000万人なので、日本で動くお金・ヒトのおよそ10%以上が建設関連であると言えます。
そんな建設業界をマクロで見ると、大きな3つの事象からある問題に直面していることがわかります。
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出典:建設業ハンドブック2020
左記グラフを見ると、建設業界の労働人口が1998年以降大幅に下がっています。
また、高齢化も加速し2019年には55歳以上の比率が34.7%にも上る一方で、30歳以下が11.1%と近い将来退職する人数に対して入職者が補えていません。
要因としては、大きな業界であるが故に少子高齢化等の大きな流れが直撃したり、いわゆる3Kと言われる良くないイメージや、資格や技術が必要な業務が多く業界外からの新規就労が難しいことが挙げられます。
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出典:総務省 労働力調査
震災の復旧・復興工事や中国を始めとする世界的な建設ラッシュに伴い、
資材の需要が高まり、主要資材価格は過去10年間で約15%増加しています。
建設コスト全体は近年落ち着きを見せていましたが、2017年以降再び上昇に転じています。
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出典(資料引用元):日本建設業連合会 建設業ハンドブック2020、日本銀行 企業物価指数
92年度の84兆円をピークに減少傾向が続き、2010年度にはピーク時の50%程度にまで減少していましたが、
その後は東日本大震災の復興需要や民間投資の回復、東京オリンピックや大阪万博などの大規模イベントにより増加傾向となっています。
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出典:国土交通省 建設投資見通し
以上の事象より、
「日本は作りたいものは増えているが、満足に作れない。」という状況に陥っていると言えます。
住宅や商業施設の新設・リフォームなど私たちに身近な建設はもちろん、その他にも道路や河川等の老朽化が進むインフラの維持管理、的確で素早い災害対応といった国を守る上で必要不可欠な工事でさえも思うようなスピードで対応できない事態が懸念されています。
そんな状況において、業界全体の生産性向上が課題となっています。
安倍総理が2025年までの建設現場の生産性20%向上を指示し、
「ICTの全面的な活用(ICT土木)」「規格の標準化(コンクリート工)」「施工時期の標準化」の3本柱が主軸の、
国交省主体の生産性向上プロジェクト「i-Construction」 が推進されています。
より効率的に・より正確に・より安全に工事を進めるため、様々な取り組みが行われています。
属性情報管理システム「CIM」の登場で、建設プロジェクトの在り方が大きく変化し、ドローン測量では、数千地点に1週間かかっていた業務が数百万地点を15分で完了できるようになりました。
また、コマツを代表とする ICT建機の登場によって「熟練の技」が必要な非常に難しい仕事を経験の浅い方でも早く・確実に・安全に施工できるようになりました。
体験した石井国交省大臣も「ひょっとして俺は天才じゃないかなどと勘違いする」と発言したほどです。
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画像引用元:テラドローン株式会社
国や建設会社が様々な取り組みを行う中、CON-TECHと呼ばれる「建設×IT」スタートアップも登場してきました。
米国では「Procore」「PlanGrid」「BuildZoom」「IronPlanet」など、投資額が5年で5倍に成長するほどに期待されている分野です。国内でも「andpad」「助太刀」など、多くの企業が業界の課題解決に向け奮闘しています。
私たちシェルフィー株式会社もそのうちの一つです。私たちが何を課題と捉え、どう立ち向かっているか。
「解決すべき課題」では私たちの考え方に焦点を当て記載していきます。
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参考:投資額が5年で5倍!シリコンバレーの著名VCが続々投資する建設×ITスタートアップまとめ