ソフトバンク接客コンテストで優勝した営業マンが建築×ITのスタートアップに入社した理由
シェルフィーのセールス統括として活躍する武田。レストランのサービスマンから始まった彼のキャリアは、その後ソフトバンクの接客コンテスト優勝、野村不動産、そしてベンチャー企業であるシェルフィーへたどり着きました。異色ともいえるキャリアを歩んできた武田、その中でなぜ建築×ITのベンチャーを選択したのかをインタビューしました。
サービスマン時代に学んだ、仕掛けることの面白さ
数多くの営業実績を積み上げてきたと思いますが、営業にはもとから興味があったのですか
実は19歳のときに務めたフレンチレストランでのサービスマンが初めての仕事でした。都立の進学校を卒業したのですが、諸事情あり同学年で自分だけ進学を選ばなかったので「人より早く社会にでた分、同世代より必ず成長したい」そんな気持ちで働きはじめ、当時は「ソムリエや飲食店のオーナーになってサービスの道を極めたい」と考えていました。
それでは何がきっかけで営業に興味をもったのですか
飲食の道を極めたいと考えていましたが、サービスマンとして仕事をしていくうちに自分からお客さんへ働きかけ、喜んでもらえることにやりがいを見出すようになりました。
あるときレストランで行うウェディングのお手伝いで、ウェディングプランナーの仕事を間近で見る機会があり、提案の幅が桁違いに広くそれきっかけで私自身もお客さんへ踏み込んだ提案ができる仕事に目が向くようになったんです。加えて提案をするなら老若男女問わず接客できるほうが自身の成長角度も高まると思って転職を考えるようになりました。
そんなときにたまたまソフトバンク販売員の求人を見て、これはぴったりだなと。当時のソフトバンクはiPhoneを国内で独占販売していて、これから誰もがネットに繋がりガラケーからスマフォに移行する世の中が訪れると思って、学生からご年配者まで幅広い年齢層に提案できるソフトバンクへ面接を受けにいきました。
究極の顧客満足は「無理に売らない」「見えない顧客まで配慮する」
ソフトバンクではどのような経験をされたんですか
当時のソフトバンクはそれはもうお客様がひっきりになしにきてました。販売員のKPIとして「販売台数」と「顧客満足度」の2軸を大きく重視していたのですが、全国TOPの来客数を誇る販売店でその二つの両立は難しかったです。
それではどちらかに注力されたんですか
仮に自分がお客さんで「いい買い物をしたな〜」と感じる時って、親身な接客を受けたときだと思うんです。だから、接客の時点から顧客満足度を意識して信頼してもらうことで、結果的に販売成績も上がって両立ができるのではないかと考えました。
具体的には何をしたかというと「お客様に対して無理に売らない」ということです。仕事帰りにサラリーマンの方が来店してくれたことがあったのですが、話を聞くとそのお客様には奥さんと年頃のお子さんがいました。本来はその場でお客様の契約を進める方が良いかもしれませんが、私はご家族も一緒に契約することを勧めて、その日はじっくり検討してもらえるように帰っていただきました。その週末には家族で来店いただき、複雑な料金プランも親子揃って聞けて安心したと満足いただけました。
こういった見えないお客様までも見越して提案していく、そういった配慮や気遣いが高い満足度に繋がっていき、上位成績も納めることができました。
結果的に上司からは「顧客満足度を牽引するダークホースだな!」と褒めてもらったり、販売員になって半年でチームのサブリーダーを任されることになったり、孫さん宛に名指しで接客を褒めてくれた嬉しいツイートもありましたね(笑)。
そして翌年に実施されたソフトバンク接客コンテストでは3800人の選抜の中から21歳で全国優勝することができました。本当に多くの人に支えらた結果、契約社員から正社員に昇格したのですが、当時のソフトバンクにおいては異例中の異例だったようで、非常に嬉しかったですね。またそのコンテストはソフトバンクの役員が一堂に会して、全国にも配信される大きな社内行事だったのでめちゃくちゃ緊張したのは今でも鮮明に覚えてます。
すごい経験をされてきたのですね…。
そうして社員になってからは6店舗、21名の販売員のマネージメントをおこない、刺激的でやりがいのある業務を任せてもらいました。特に大変だったのが不振店の立て直しです。売り上げ前年比を150%に引き上げるなど、挑戦とやりがいに満ちていました。
大企業から大企業、そしてベンチャーへ
ベンチャーに転職しようとしたきかっけを教えてください
理由は二つあります。
ソフトバンクへ入社して4年目の頃、「成長が止まってしまうのではないか」という不安に駆られたんです。23歳という最年少の若さで複数店舗をマネージメントする立場になったのはいいもの、勢いのある同世代からの刺激がなく、社外に目線が向くようになりました。もう一つがマネージャーとして組織を見たり、事業意義を発信するようになったからこそ、経営や事業に大きなインパクトを与えられる環境を望むようになりました。
それでベンチャーへの転職を上司に相談したところ「これまで培った営業スキルを活かせる環境を目指したほうがいい」とアドバイスをもらい、改めて考え直したんです。そして当時、toC営業を極めたい気持ちと、人生において一番高い買い物を支えたいという思いもあったので野村不動産への転職を決めました。
野村不動産ではどのような経験を積まれたのですか
実は半年ほどで野村不動産を退職したんです。理由はリスクを犯せる年齢の時にどうしてもベンチャーで働きたかったこと、また野村不動産はITに積極的な企業でしたが、建築業界の商習慣的に完全にITに踏み切れていない部分を目の当たりにして業界全体の構造を変えたいと思うようになったんです。
ビジョン・ドリブンのセールスチームへ
シェルフィーに入社した決め手はなんでしょうか
シェルフィーに決めた理由は二つあります。
一つ目は事業の中枢に関われる時期のベンチャーであり同世代から刺激を受けられる環境があったこと。二つ目は前職で建築業界の非効率的な習慣をみた分、建築業界にITを浸透させ構造自体を変革するビジョンへの共感です。代表である呂との面談を振り返ると、フランクでカジュアルなコミュニケーションの中にも事業への熱い思いがあり、レガシーな建築業界を本気で変えようとしている姿勢が印象的でした。
普段はどういった業務をされていますか
シェルフィーには二つの顧客がいます。店舗やオフィスの内装を依頼したい企業(以下施主)と、それを実際に工事する施工会社です。セールスチームでは施主に対してシェルフィーのプラットフォーム上に出店案件を掲載してもらえるように提案し、施工会社へは施主の内装案件に工事会社として参加してもらえるよう促しています。
セールスチームでは「事業のPDCAの出入り口になる」というビジョンを掲げており、会社の最前線に立ちサービスの提案を行うだけではなく、改善するためのヒアリングや顧客ニーズを聞き出す必要があります。セールスチームの成果次第で、事業の成長角度は全く変わるので、最前線で事業を引っ張っていけるよう心がけていますね。
シェルフィーにおけるセールスの特徴はありますか
ビジョン・ドリブンで営業ができていることです。目の前のお客様の役に立つのはもちろんですが、建築業界を最適化するために仕事をしている感覚でいます。
印象的だったのは、入社1週間も満たないセールスメンバーが営業同行を終えたとき「建築業界の問題は山積みで、僕らが変えていかないとですね」といったんですね。
これまで様々な会社で営業をしてきましたが、自社やお客様、自身の成績が主語になることが多く、「建築業界をもっと良くしたい」という業界を主語に捉える感覚ってあまりないと思います。それほど建築業界の発展に寄与できるサービスだと自信を持っていますし、自分たちがそれを実現しよう!と思っているメンバーが集っています。
課題が大きいからこそ、個人ではなくチームで戦うマネジメント
チームのマネジメントにおいて心がけていることを教えてください
建築業界におけるITはまだまだ発展途上で、業界の高齢化やレガシーな商習慣といった様々な理由でITに抵抗感を持つ人が多いです。そういった業界だからこそ「競う営業」ではなく、「ノウハウ・情報を共有し合う営業」を大切にチームづくりをしています。
チームで目標達成する文化が根付いていると、成功事例や知見の共有が自然と行われチームのボトムアップが活発に行われていきます。会社として資産であるノウハウの属人化を防ぐことができますし、実際にslack(チャットツール)の #sales では、その日のアポでの気づきや上手くいったセールストーク、事業改善への気付きなどが毎日大量に上がってきます。
また誰かの実績が下向きになった際、個人目標による管理に比べて全員で改善を進められるので個人の軌道修正が早くなります。実績の良し悪しに関わらず全員が同じ目標に向けて感情を共有できるので、チームの一体感が高まるメリットもうまれるんですね。嬉しい、すごい、悔しい、やばい・・・など色んなシーンをこれまで”チームで”超えてきました。
自分の成長に鈍感になってはいけない
自身のセールスマンとしての成長はどう考えていますか
学びたいことはたくさんありますね。例えばセールスメンバーがもっと増えたらマネジメントも難しくなりますし、それはこれまで経験したことのない領域なので、勉強していきたいです。あとはミドルリーダーの育成や営業ツールの活用など吸収したいことは山ほどあります。
まだまだ伸びしろがあるんですね…!
まだ20代ですし、限界は作りたくないですね(笑)。メンバーにもよく「自分の成長に鈍感になってはいけない」と伝えていますが、ある程度仕事に慣れてくるとなかなか自分の成長には気づきにくいですよね。でも誰もが日々学びを得ているはずで、それに自分でしっかり気づいて喜んだり、反省したり改善していくのはすごく大切なことだと思います。自身の成長や課題と向き合って、正しくテンションを上げ業務を改善していくこと、その意識が成長を加速させていくのだと思います。そうやって事業により一層貢献していきたいですね。