幸福度研究をCSのチームづくりに応用してみた

こんにちは!

シェルフィー株式会社クオリティマネジメント(以下QM)統括の松井です。

突然ですが大学時代、幸福度研究というものをやっておりました。
日本人は遺伝的にセロトニンの働きが弱いため、幸せを感じにくく、うつになりやすいともいわれてるんですが、これってなんか悔しくない?どうせならハッピーなほうがいいけど、それって解明できるんだろうかってノリで始めました。これが面白いのなんの。

そもそも幸福って明確な定義がないんですが、統計分析だったり理系的なアプローチで幸福度を測って社会に活かせないかというようなことに主に取り組んでいました。最終的に中退してしまったので、あまり偉そうなことは言えないのですが、、笑

今回は、そんな私の興味対象である幸福学とCS(カスタマーサポート、カスタマーサクセス)を絡めて、弊社なりにチームづくりでうまくいってるなという点を参考までにお話できればと思います。

そもそもSHELFYってどんなサービス?QMってなに?とご興味頂いた方はこちらを。
昔の記事なので、現在変わってる部分もあるのですが参考までに。

QMチームでは、BtoBサービスにおける一般的なCSのようなこともしていますが、シェルフィーではチームとしてCS(カスタマーサポート、カスタマーサクセス)をもう一つ上のレイヤーで捉えて、事業全体に対してアプローチができるようQM(クオリティマネジメント)と位置づけています。今回記事中では主旨が伝わりやすいようにCSと呼んでいきます。

幸福学の基本的な考え方

本題に入る前に、私が勝手に尊敬しているロボットやヒューマンインタフェースから派生して幸福学の研究をされている慶応大学の前野先生が提唱している幸せの4因子について、共有させてください。

幸せの4因子

①「自己実現と成長」夢や目標、やりがい、実現に向けての成長
②「つながりと感謝」人を喜ばす、愛情に満ちた関係、親切な行為などによる
③「前向きと楽観」自己肯定感が高く、いつも楽しく笑顔でいられること
④「独立とマイペース」他人と比較せずに自分らしくやっていける
※前野隆司氏(慶応義塾大学教授)著『幸せのメカニズム』より

人はこの4つの因子により幸せを感じるのですが、企業の組織づくりも同じで、4つの因子を意識しながら進めれば、社員が幸せになれる組織を生み出せると言われてます。③④は最近Googleの話なんかでもありましたが『心理的安全性』なんかで話題ですよね。

上述の幸せの4因子のうち、②③④はCSに限らず全てのチームでわりと共通しています。チームの雰囲気であったり文化(成果を喜び合う、失敗に寛容、他者との相対評価になっていないとか)の影響が大きいでしょう。

この辺もぜひお話したいのですが、今回は①「自己実現と成長」の因子にフォーカスしたいと思います。

CSチームの幸福度は高いとはいえないのではという疑問

いきなりぶっ込んでしまいましたが、あくまで個人的な見解ですのであしからず。笑

「自己実現と成長」を感じにくいCS

一般的に、CSチームでは顧客満足を高めるためのサポートという位置づけが多いのではないでしょうか。”サポート”業務になってしまうと、事業貢献が数値として見えづらいといったケースがあるかと思います。そうなると、経営者としては事業貢献がわかりやすいチームと比較してどうしてもCSを軽視しやすくなってしまいます。(あくまで仕組み上そうなるよねという話です。)

また、サポート業務はルーティンワーク化しやすいというのも事実です。
すると他の職種と比べ、スキルや経験面で専門性が希薄になりやすかったり、社内外どちらにおいてもキャリアパスを描きづらく、燻ってしまう問題はあるあるではないでしょうか。

これでは、多くの人が働く環境に最も求める①「自己実現と成長」の因子を実現し難い環境になりがちなのは間違いありません。これじゃハッピーじゃないですよね。

CSチームの幸福度を高めるには

では、企業および事業運営の中でCSチームが①「自己実現と成長」の因子を高めるには何が必要なのでしょうか。

答えはシンプルで、CSが「事業成長と一体化する」ことです。当然ボランティアでない以上、企業としては事業成長ありきで①の機会を提供していくことになります。つまり仕組み上必然的に、事業成長と一体化していない設計では①を提供するのは難しくなってしまいます。

CSチームひとりひとりのやりがいや自信、キャリアパスへとチームを通した自己実現と成長が、事業成長と一体化していれば経営としても真っ当に機会提供が可能になりますし、WIN-WINでハッピーな関係構築ができます。CSチームの幸福度はいかに事業成長と一体化できるかということかと思います。

”自己実現と成長”を”事業成長”とどう結びつけるか

”KPIの設定と納得度”がすべて

KPIは会社および個人のマインドや行動を規定するのはもちろん、個人が出した結果に対する評価のものさしにもなります。そのため、そもそも指標となるKPIに納得感がないと評価への不満につながります。

評価に不満があると、当然ながらそれを向上させるために改善を行おうとはしません。事業成長にコミットできるCSチームにするためには、どういうKPI設計にするかが鍵となります。

本当にそのKPIは事業成長に結びついているか?

一般的なCSチームの話を伺うと、個人的な所感ですが、事業成長に直接的に現れにくいKPI設定になってるケースが多いなという印象です。例えば、問い合わせに対しての対応件数とユーザー満足度などふわっとした指標になりがちだなと。

もちろん、これらの指標が大事なのは間違いありません。ですが、個々人で見た時にサービスとして本質的な改善目線になりにくかったり、ふわっとしている分結果に対する評価の納得度は薄くなりやすいのではないでしょうか。

カスタマーサクセスの瞬間をKPIに

そこでSHELFYのCSでは、事業成長に直結してわかりやすい大きな指標としてカスタマーサクセスが最大化する瞬間である『コンペ勝率』をKPIとしました。
これはその先のユーザー継続率を高めるという目的から落とし込んだものです。

SHELFY上で直接行われているのは、情報の整理を行い、施主と施工会社を引き合わせるところまでなのですが、実際に施工会社が売上を立てるにはコンペ・入札による比較検討で勝利し受注獲得が必要です。私達のカスタマー(施工会社)が真にサクセスを実感してもらえる瞬間が、この受注獲得決定の瞬間なので、『コンペ勝率』が重要です。

ペアーズさんとかで例えると、マッチングした後に実際にデートまでちゃんと行けたかみたいなイメージでしょうか。どんなにたくさんマッチングしても全然デートできないってなったらユーザー離れてっちゃいますよね。笑 ユーザーの力量に依存する割合が高いですが、それをサポートするための色んな施策に取り組まれてるのは間違いないと思います。

事業成長に直結してわかりやすい指標をKPIとして設定することで、必然的に事業全体に目が向き、より上流の目的意識を持った上で細かい施策に落とし込むことが習慣化していきました。

例えばこんなことやっています

具体的にCSで行ってることに下記のようなものがあります。

GitHubドリブンの運用体制

シェルフィーでは以前からビジネスサイドでもgithubの主にissueを活用し情報共有・議論の効率化を図っていましたが、全体とは別にCS独自のリポジトリを運用しています。

ラベル(施策、提案、knowledge、Q&A、運用フロー改善、相談、炎上など)毎にissueを分類し、チーム内での施策提案・議論・進捗確認・ノウハウ蓄積共有に活用しています。

プロダクト開発との密な連携

CSが社内で最も開発サイドと蜜にコミュニケーションを取って、どんな機能をつくる?仕様は?アルゴリズムは?といった議論を通じて、プロダクトに深く関わっていきます。この際、VOCを聞きすぎないということを意識しています。このへんは開発サイドとの関わりの中で浸透してきたものかもしれません。

過去データ(依頼条件)の解析/戦略策定

過去と今を比較して、プロジェクト依頼の内容にどんな傾向や変化があるか、流入チャネルごとに数字はどうなってるかといったところも、ユーザーやプロジェクトに最も近い立場であるCSが把握しています。どんなデータを取って蓄積させていくかという点は、toCサービスのように膨大なトランザクションがない分重要になってきます。

目の前のユーザーだけではなく自然と本質的なサービス改善・仕組みづくりをCSチームみんなが意識し、常に考えるようになりました。

事業成長に貢献するCSチームをつくろう

“サポート”チームからの脱却

CSに事業成長の後をフォローしていくサポートチームとしての役割ではなく、事業成長を加速させる役割をもたせることで、自然とチーム全体でその役割をまっとうし始めます。

ユーザーからのありがとうはもちろん、それ以上に事業に直に貢献していることを感じて喜ぶ強いチームに変わっていきます。結果として、事業全体を捉える日々の積み重ねは、事業成長に貢献したという個々人のやりがい・自信に繋がりますし、例えばサービス企画・営業・業務改善・仕組構築といったキャリアを描きやすいスキルを磨く機会提供もできるようになり、チームを通したひとりひとりの自己実現がチームの幸福度に直結していきます。

人は環境の奴隷

「人は環境の奴隷」とはよく言いますが、本当にその通りですよね。相当強い鉄人じゃない限り環境に大きく影響されるのは仕方のないことだと思います。

そういう意味でも、経営サイドとしてはメンバーにどのような環境をWIN-WINな関係値のなかで提供できるかが重要で、その鍵となっているのがKPIなわけです。立場が人をつくるとはまさに言い得て妙で、人は与えられた役割によって驚くほど変わりますから。

結論:CSチームの事業貢献度があがれば幸福度があがる!

なんだか当たり前のことを偉そうに語ってしまいましたが、少しでも多くのCSチームの幸福度がアップしていくことを心から願っております。

機会があれば他の幸せ因子についても書いてみたいと思います。